生活習慣病

生活習慣病は長期にわたって継続した治療が必要な病気です。早い段階から適切な治療を行うことで、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重大な病気のリスクを低減します。

すずしろクリニックでは、総合内科専門医として生活習慣病の診断から治療まで患者の皆さんをサポートして参ります。お昼休みや仕事帰りに通院しやすい診療時間、立地、Web予約システムなど、治療を継続しやすい環境をご用意しています。

糖尿病

当院での糖尿病治療の特徴

糖尿病
  • 血糖値、HbA1c(血糖コントロールの指標)、尿糖が院内で測定できます(約10分)。
  • 治療効果が優先ではありますが、体重が減少しやすい・痩せやすいタイプの治療薬を選択して治療を行います(太るタイプの治療薬もあります)。
  • 少しでも内服量・回数を減らせるように定期的に治療方針を見直します。
  • 糖尿病の合併症の治療では他の医療機関とも連携して診療にあたります。
  • 栄養療法や運動療法など内服だけに頼らない治療方法も提案します。

糖尿病とは

血液に含まれる糖分をグルコースと言いますが、このグルコースの濃度が慢性的に高い状態、つまり血糖値が高い状態にあると、『糖尿病』と診断されます。
通常であれば、食事や糖分の多いジュースを摂取して上昇した血糖値は、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されることで元に戻ります。糖尿病ではインスリンが作用不足を起こし、血糖値が高くなります。

インスリンが作用不足を起こす原因は主に2つあるとされ、それにより糖尿病を分類します

Ⅰ型糖尿病
インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が自己免疫反応などによって破壊され、インスリンがほぼ分泌されないため起こります。そのためインスリンによる治療が必要になります。
Ⅱ型糖尿病
長期の不摂生な生活習慣(不規則で過食・偏食な食生活、運動不足、喫煙、多量の飲酒、過度なストレス など)が引き金となって発症します。この場合はわずかながらインスリンは分泌されているため、それを補うような治療を行います。日本人の全糖尿病患者のうち95%以上の方がⅡ型糖尿病といわれています。

血糖値の慢性的な上昇は様々な血管障害を引き起こすことが知られており、放置すると糖尿病特有の合併症(腎症、網膜症、神経障害)、動脈硬化による血管障害(心筋梗塞、狭心症、脳卒中)の原因となります。これらの合併症を防ぐため、糖尿病ではきちんとした血糖コントロールが大切です。

血糖値が高い時の自覚症状はほぼありません。しかし、のどが異常に渇く・尿の回数や量が多い・倦怠感が強い・食欲はあっても体重が減少する、といった症状があれば、糖尿病の可能性があります。これらの症状が気になる場合は一度ご受診ください。

高血圧

当院での高血圧症治療の特徴

高血圧
  • 高血圧のタイプ、合併症に応じて適切な治療薬・治療法を選択します。
  • 必要と判断される場合には二次性高血圧症の精密検査も行います。
  • 少しでも内服量・回数を減らせるように定期的に治療方針を見直します。
  • 合併のある方には睡眠時無呼吸症候群の検査・治療も行います。
  • 栄養療法や運動療法など内服だけに頼らない治療方法も提案します。

高血圧とは

心臓から血液を全身へ送る際の圧力のことを血圧と言いますが、これが基準値を超えている場合、高血圧と診断されます。

高血圧の診断基準は以下の通りです

  • 外来での最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上もしくは最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上
    (日本高血圧学会)

*自宅で測定する場合は-5mmHgを差し引いて135/85mHg以上が高血圧になります。

高血圧は主に2つに分類されます

本態性高血圧
はっきりと原因が特定できない高血圧です。不摂生な生活習慣(塩分の過剰摂取など乱れた食生活、喫煙、多量の飲酒 など)、肥満、加齢、ストレス、遺伝といったいくつもの原因が重なって発症すると考えられています。なお、日本人の高血圧患者の約9割が本態性高血圧と言われています。
二次性高血圧
他の病気や薬剤の使用が原因となって発症する高血圧です。具体的には、睡眠時無呼吸症候群、副腎ホルモンの異常、腎疾患、漢方薬で使用される甘草などが挙げられます。

高血圧の自覚症状はほぼありません。
高血圧という言葉も日常で耳にする機会が多いため、なんとなく知った気になって「自分は大丈夫だろう」と油断していまいがちです。そのため、健康診断などで高血圧・あるいは高血圧予備軍との指摘を受けても、治療や予防に積極的に取り組む方は決して多くありません。しかし自覚症状がなくとも、高血圧では心臓から血液を血管へ送る際に常に余分な負荷をかけているので、血管(壁)はダメージを受け続けています。血管は高い圧にさらされて、その圧に耐えるために徐々に血管の壁が硬くなる「動脈硬化が生じます。

高血圧は、細い動脈の硬化を促すだけでなく、より太い動脈に生じる硬化も進める重大な危険因子です。症状がないからといって高血圧を放置してしまうと、動脈硬化が進行し、脳卒中・狭心症・心筋梗塞・腎不全といった重い合併症が突然発症してしまう危険があります。アメリカでは、高血圧を「サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)」と呼んでいます。自覚症状がなくとも、必ず高血圧は治療を行うようにしましょう。

脂質異常症

当院で脂質異常症治療の特徴

脂質異常症
  • 異常値となっている脂質の種類に応じて適切な治療薬・治療法を選択します。
  • 異常が軽度の場合には、いきなり強い薬ではなく弱めの薬から処方します。
  • 少しでも内服量・回数を減らせるように定期的に治療方針を見直します。
  • 定期的な血液検査で実際の数値を確認しながら治療を行います。
  • 栄養療法や運動療法など内服だけに頼らない治療方法も提案します。

脂質異常症とは

血液中には色々な脂質が含まれています。
LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセライドとも言います)、脂肪酸、リン脂質などがありますが、その中のLDLコレステロール、中性脂肪が過剰になった場合、動脈硬化を招くようになります。

脂質異常症の診断基準は以下の通りです

  • LDLコレステロール値≧140mg/dL(高コレステロール血症)
  • 中性脂肪≧150mg/dL(高トリグリセライド血症)
  • HDLコレステロール値<40mg/dL(低コレステロール血症)

コレステロールは体を構成する細胞の細胞膜を構成する成分のひとつであり、中性脂肪もエネルギーを蓄える貯蔵庫として身体に必要な脂質です。しかし、過剰になると血管内で蓄積され、動脈硬化を引き起こします。さらに進み血管が詰まると、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などを発症することになります。

これらが過剰となる原因は、食生活の乱れ(過食、脂肪分の多い食事、糖分の過剰摂取、多量のアルコール摂取)、慢性的な運動不足など不摂生な生活習慣と考えられています。

脂質異常症の自覚症状はほぼなく、進行させやすい病気です。しかし放置すると心筋梗塞、脳梗塞 の危険性が上がることが知られています。脂質異常症による動脈硬化は、粥状(じゅくじょう)硬化といって、危険性の高いタイプとされます。定期的に健康診断でコレステロールや中性脂肪の数値を確認することが予防対策となります。健診結果で脂質の異常を指摘された場合には、放置せずに受診ください。

高尿酸血症(痛風)

当院での高尿酸血症治療の特徴

高尿酸血症(痛風)
  • 尿酸が高値となっている原因に応じて適切な治療薬・治療法を選択します。
  • 風発作が生じた際の薬、発作予防のための薬など、必要な薬剤を使い分けて治療します。
  • 少しでも内服量・回数を減らせるように定期的に治療方針を見直します。
  • 定期的な血液検査で実際の数値を確認しながら治療を行います。
  • 栄養療法や運動療法など内服だけに頼らない治療方法も提案します。

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、尿酸が血液中で増えている状態を言います。

高血圧の診断基準は以下の通りです

  • 血清尿酸値≧7.0mg/dL

基準値を超えると血液中で尿酸が溶けなくなり、余分な尿酸は尿酸塩(針状の結晶)として血液中に存在することになります。その尿酸塩が関節などに蓄積すると、激痛を伴う炎症発作である痛風を発症します。痛風の発作は足の親指の付け根が好発部位で、赤く腫れて歩くのも困難な激しい痛みを伴います。

高尿酸血症の原因はプリン体の多量摂取です。プリン体が代謝されたときに出る老廃物が尿酸であり、プリン体を多く含む食品(レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類)の多量摂取、多量飲酒などにより体内で尿酸が多く作られます。

高尿酸血症は、痛風発作を起こすまでは自覚症状がほぼありません。そのため、知らず知らずのうちに体の様々な箇所に尿酸塩が蓄積し、腎障害、心疾患、尿路結石、痛風結節など起こす原因となります。健診結果で尿酸値の異常を指摘された場合には、放置せずに受診ください。